鳴き声が「バンパクゥ」になっているせいで家族に嫌な顔をされていた私ですが、ようやく万博に行くことができました。レポです。
各パビリオン感想と、予約の取り方の話をしようと思います。
○各パビリオン感想
私が行ったのは4/23(水)の平日、来場者数が7万8000人の日だったのですが、10:20~20:30の約10時間の滞在で8つのパビリオンに入ることが出来ました。
①いのちの遊び場クラゲ館(自由入場)
②タイ館
③いのちの未来
④電力館 可能性のタマゴたち
⑤大阪ヘルスケアパビリオン(リボーン体験+人生ゲーム)
⑥イタリア館
⑦TECH WORLD
⑧ガンダム
①いのちの遊び場クラゲ館(自由入場) 5分
なんか音の出るオモチャとか子供の落書きとかがあります。地域の祭りに保育園や児童館が出し物してるみたいな感じで、あんまり面白くないです。作品を準備する側の子供たちと、その過程を見ているひとにとっては意義あることであっても、最終的な成果物だけを見る側にとっては魅力的ではないかな。
自由入場エリアは地上だけですが、予約入場すると地下の空間で踊らされるという噂。踊るのがサムい、という感想もありますが、個人的には踊るのは好きなのでそっちはアリかも。
②タイ館 20分
3つのブース+ショップに分かれており、エントランスではタイの説明、シアターではタイのイメージムービー+タイ語の挨拶ダンス、奥の部屋では医療を中心にしたパネル展示があります。
ビビったことに、エントランスでの説明が全部英語でした。「タイに来たことがある方はいらっしゃいますか?タイは5つの地方に分けられており、各地に様々な特産物があります……」みたいなことを喋ってくれたのですが、隣のオバちゃんグループがずっと「何て?」「わからん……」などとボソボソ言ってました。そりゃそうなるわ。
タイ訛りが少なく聞き取りやすい英語ではあったのですが、だからといって日本人が9割の場で日本語の説明一切無しで通すのキマってんな。
パネル展示の部屋の一角で無料のマッサージが受けられるのですが、11:15にタイ館に入場した時点で予約が終了していました。
タイの説明に終始しており、全体的に娯楽性は低め。ショップや食事に興味があったり、マッサージを狙うのであれば朝イチに行く価値があるかな、ぐらいの感じです。
③いのちの未来 60分
アンドロイドが当たり前になった未来で、人はどのように生死を選ぶか?というテーマのパビリオン。
いくつもの部屋を移動し、映像を見るシーンと動くアンドロイドを見るシーンとを織り交ぜながら、ある家族のストーリーを追う…という建付けです。
アンドロイドの動きを見る楽しさもあり、また、幻想的なビジュアルのシーンもあるのですが、いかんせん話が気に食わなかったです。深みのあるストーリーだと感じる人も多いと思いますが。
ネタバレしてしまうと、ババアをアンドロイドにして延命するか?という話なんですよね。自殺をするごく一部の人間以外、私たちは自分の意志で死を選ぶ覚悟ができず、肉体の崩壊によってのみ死を受け入れられるのに、アンドロイドの身体を与えることで未来の自殺を余儀なくされることのどこに希望があるのか全くわかりません。作中で、新たな命の誕生や、若者の成長が幸福として描かれていますが、その価値観が維持されている中で、老人の延命に過ぎないアンドロイドが「選択肢」として提示されるのはアンバランスに思います。
ボリュームもあり、エンタメ性もあり、満足感のあるパビリオンの一つなので、行く価値はあると思います。重いテーマのストーリーを受け入れた上で、Not for Meだなーと感じただけです。
④電力館 可能性のタマゴたち 40分
タマゴ型デバイスを持ってミニゲームやパネル展示を回るエリアと、映像を見るエリア、光のショーを見るエリアの3エリアに分かれています。
タマゴ型デバイスを使うエリアでは、ミニゲームを通して様々な発電方法を学ぶことができます。実質名古屋市のでんきの科学館です。この展示は子供向けだと思いますが、私は科学的なトピックに興味があるので楽しむことができました。
話が逸れますが、でんきの科学館にはアトムドラムという、流れてくるウラン原子とプルトニウム原子に合わせてドラムを叩くリズムゲームがあります。私はこっそり「核分裂の達人」と呼んでいます。電力館の展示でも、核融合をイメージしたミニゲームがありました。
光のショーは圧巻でした。写真をSNSにアップしている人がいましたが、肉眼で見ると全然印象が違いました。きれいですねー。
老若男女問わず、様々な人が楽しめるパビリオンかと思います。私は大好き。
また、前回の愛知万博にも出展していたゆえのノウハウなのか、待ちスペースに屋根があります。4月の今はまだ耐えられますが、今後夏になるとこういう心配りが身に染みるでしょうね。
⑤大阪ヘルスケアパビリオン(リボーン体験+人生ゲーム) 3時間30分
吉村知事が積極的に広報しているのが理由でかなり人気の高いパビリオンですが、実際に行ってみたところ、人気の高さに見合う満足度でした。
楽しかったのはリボーン体験の部分で、人生ゲームはクソです。倍率の高い人生ゲーム付コースですが、わざわざ行く必要は無いと思います。リボーン体験だけのコースを予約しましょう。
人生ゲームは、大画面に映像を流し大人数で一度に体験できるようにするという作りでであるがゆえに、勝手にルーレットを回されその場にいる約20人が強制的に同じマスに止まらされます。止まったマスで4択の選択を迫られ、その結果によってスコアが上下するというところに僅かなゲーム性がありますが、正直言ってクソゲーオブザイヤー2025を狙えるゲー無です。
もしかしたらこれは、ゲームとは何か?という本質的な問いなのかもしれません。双六はサイコロを転がすだけの単純なゲームで、そこに技術やプレイヤーの意志は殆ど介入しません。人生ゲームは元々そういうゲームであるのに、決まりきった映像を流されるのはゲーム性を損ねていると感じさせるのです。ゲームを自発的に楽しんでいると感じられるには、どこまで自己決定の要素が必要なのか?というラインの際を見せられている気がします。人生は運任せであるにしても、他人に完全に決定されるものではないだろうという話かもしれません。
他のパビリオンだって動画見せられるだけのところは多いですから、楽しそうな映像流して、インタラクティブな要素入れているだけで十分エンタメ寄りなんですけどね。テレビゲームというエンタメの王様を基準にしてしまうと、ハードルが上がりすぎてしまうのかも。
リボーン体験のコースに話を戻しますと……
リボーン体験は、身体データの測定→協賛各社の小ブースを複数回る→エンディングを見るという流れで進みます。で、この小ブースが多い!多いんだ!4つぐらい回るとリボーン体験全体で60分で終わるよ、と標準の所要時間が決められているらしいのですが……予約の倍率が高いパビリオンなので、せっかくだし、と小ブースをほぼ全て体験したら3時間かかりました。ボリュームたっぷりで楽しいです。予約なしで入れるエリアも含めたら半日過ごせます。
リボーン体験の身体データの測定は個室で行われるのですが、そのあとの各ブースで身体データの結果が大画面に表示されます。同行者や見知らぬ他人に結果が丸見えなのはどうかなーと思うのですが、結果も雑ですから、あまり気にしないよう……
セブンイレブンのブースは飲み物・ゼリー飲料などがタダで貰えるので大人気でした。ミルボンのブースでもヘアケアサンプル貰えます。椿本チエインと森永はVRゲームを提供してるのでおススメ。VRゴーグルかけた人々が「ビフィズス菌!!」と叫んでいるのは迫力があるので見るべきです。
⑥イタリア館 40分
SNSで大人気のイタリア館。「これ、価値があるって言わないとバカだと思われるな……」と裸の王様みたいな気持ちになりました。
イタリア現地に行かないと見られないものが多く、そりゃまあ貴重な経験ではあったのですが、あくまで美術館的な楽しみですので、高尚かなと思います。エンタメ性は薄いので、学の無い人間や子供は向いていないパビリオンかなあと。
SNSの人気ゆえに混んでてゆっくり観られなかったのが満足度を下げている面があるかもしれません。一番ゆっくり観たいダヴィンチの手稿は出口のすぐ手前の狭い通路にあって、そこが人流のボトルネックでした。「おひとり様10秒から15秒程度でお願いしまーす」とスタッフが叫んでおり急かされます。
それから、イタリアパビリオンはレストランも人気です。通常の展示を抜けた屋上にレストランがあるのですが、噂によると他の入り口からでも並べるとか並べないとか。ここらへん、海外パビリオンは展示を通る必要があったりなかったりバラバラでよくわかんないですよね。ショップは準備中でまだ開店してませんでした。
レストランの経営はイータリーとのことなので、関東在住の人は東京のイータリーの店舗に行ってください。万博は混みます。
⑦TECH WORLD 35分
台湾を国として認めるとややこしいことになるため、台湾政府が万博を開催するためだけの会社を立ち上げ民間パビリオンとして出展しているという成り立ちのパビリオンです。
パビリオン名になっている「TECH WORLD」は、あいまいな世界を指すのではなく、島の名前なんだそうです。その島には、固有種の蝶が住んでいると紹介されます。そしてその固有種の蝶は台湾固有種です。じゃあその島は台湾やないかい。
「TECH WORLD」「この島」という単語で台湾という言葉を頑張って避けているのですが、最後のブースでは開き直ったのか台湾旅行の案内が始まりました。
日替わりでお土産がもらえます。私の日は刺繍の荷物タグでした。他の日だとTシャツを貰ったりしているみたいですね。
台湾の自然・半導体産業を綺麗な映像で紹介するパビリオンで、海外パビリオンとしては満足できる内容かと思います。
⑧ガンダム 40分
万人受けオブ万人受け。夢洲上にある軌道エレベーターの静止軌道ステーションでモビルスーツがドンパチするという話です。
3つのエリアで映像を見ることになるのですが、最後のエリアは頭上まで画面があり、宇宙でのMS戦を臨場感あるアングルから楽しむことができます。なお、30~40分程度立ちっぱなしで映像を見ることになるため、一日中歩いた後だと地味に足がキツかった。でも立ち見は人数捌くための工夫だと思うんですよね。人気館ではありますが、当日予約を段階的に放出しており、枠数もそこそこあるため、頑張れば当日予約で入れます。
学びというよりは完全にエンタメに振り切った内容で、テーマパークのアトラクションみたく誰でも楽しめる内容になってます。
これ万博の半年で終わらせるの勿体ないな~~どこかに移転してもっとやってくれ~~
○予約の話
今回行った8つのパビリオンのうち、6つのパビリオンは何らかの予約をして入場しました。それゆえ待ち時間はあまり無かったのですが、大阪ヘルスケアの体験時間が長くてだいぶ時間が溶けた感じ。
予約周りのタイムラインはこんなかんじ。
2か月前抽選:無し
7日前抽選:TECH WORLD
3日前空き枠:大阪ヘルスケア リボーン体験+人生ゲーム
独自予約:イタリア館
10:20 入場
10:30 当日登録① 電力館(13:30)
10:45 整理券 null^2インスタレーション(14:20回)
10:50 キャンセル予約申込 いのちの未来
11:00 キャンセル予約呼出 いのちの未来
14:02 当日登録② いのちめぐる冒険(19:30)
※のちに廃棄します
19:03 当日登録②´ ガンダム(20:00)
こんな感じで、当日登録2つに加えて、キャンセル待ち予約を1つ取ることができました。null^2はインスタレーションの整理券取れたのですが、他の予約と時間が被ってしまったので友人に渡しました。
・当日登録
入場したら10分後から当日登録が可能になります。遠征ゆえに到着が遅く、9時台に入れませんでした。人気パビリオンは埋まっているかな?と心配だったのですが、10:30でも国内パビリオンの夜遅くの枠はいくつか空きがありました。電力館の13:30が取れたのは、1人で参加したからというのもあるかも。ラッキーでした。
当日登録は1枠だけ確保できる仕組みで、当日登録のパビリオンに入場することで次の予約がとれるようになります。13:15に電力館の入場をした時点で次の予約ができるようになっているはずなのですが、パビリオンを楽しむのに精いっぱいで、14時に退出するまで予約する余裕がありませんでした。てへぺろ。
それから、現地にある当日登録用の専用端末は、予約を持った状態で他のパビリオンの空き状況を確認できるということがわかりました。私はこれを使って、ガンダムの当日予約を取ることに成功しました。
ガンダムのみ、12・15・17・19時に段階的に予約枠を開放しており、遅くに入場した来場者でも予約が取れるチャンスがあるようになっています。
14時に2回目の当日登録をした時、国内パビリオンの空き枠がかなり少なくなっていたので、私はとりあえずシグネチャーパビリオンのいのちめぐる冒険の予約を取りました。その後、19時に当日登録用の専用端末に行き、開放されたガンダムの予約枠をゲットしました。新しい予約を完了させない限り既存の当日登録を保持したままの状態になりますので、仮に私がガンダムの予約を手に入れられなかったとしても、いのちめぐる冒険に入れたというわけです。
スマホから見られるチケットシステムでは、自分が予約を持っていない状態でないと空き枠の確認・登録ができませんので、可能な限り専用端末を使うことをおすすめします。
朝一の予約もこの端末を使えば、とりあえず目についたパビリオンを押さえたあとに、再度他のパビリオンを取り直すというテクニックが使えそうです。
・キャンセル待ち予約
キャンセル待ち予約がありまして、以下のシグネチャーパビリオンが対象になっています。
・いのちの未来
・いのち動的平衡館
・いのちめぐる冒険(キャンセル待ちを行わない日多数)
以下のアドレスから予約できます。
位置情報の提供をONにしたうえで、会場内にいる場合のみ予約可能です。
https://cancel-machi.com/%E3%82%B7%E3%82%B0%E3%83%8D%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC/top
メールでQRコードが届き、呼び出しから30分以内に入場しろとのことでした。が、他のパビリオンに入っていたので私は時間通りに到着できず……11:00に呼び出しメールが届いて、パビリオン入り口でQRコードをスキャンしたのが11:55でしたが、入場させてもらえました。+30分ぐらいならお目こぼししてくれるのかもしれません。
・独自予約
万博チケットサイトの公式の予約システムとは別に予約を受け付けているパビリオンがあるので紹介します。基本的に、チケットIDとの紐づけはなく、メールで来る情報を見せれば入れると思います。
・イタリア館
以下のアドレスから登録すればアプリのダウンロードは不要です。大人気につき、6月まで予約が埋まりました。
https://www.eventbrite.it/e/book-your-fast-track-entry-to-the-italy-pavilion-tickets-1247017636319
・ウズベキスタン館
個人情報が別の人にメールで届いて問題になりました。たぶん受付停止中。
https://www.expo2025uzbekistan.uz/ja/registration
・ウーマンズパビリオン
イベントの予約を専用サイトで受け付けています
https://register.cartier.com/ja/wa-2025
・フューチャーライフヴィレッジ リフレッシュカプセル
5/5までの期間限定展示の予約を受け付けています。立ったまま仮眠できるとかなんとか
https://koyoju.co.jp/expo2025/
・整理券
落合陽一のnull^2はインスタレーションモードと称して、通常の予約とは異なる内容の展示を当日整理券で見られるようになっています。私の行った日は10:45頃に14:20-14:40の回の整理券を配布していました。午後にも夕方の回の整理券を配布すると言っていましたが、具体的な時間は不明です。代表者だけ整理券の列に並んで人数を入力すれば取れる形式で、チケットIDとの紐づけはありません。
是非とも見たい展示だったのですが、時間が他のパビリオンと被ってしまったため、友人に整理券の紙を譲りました。チケットIDとの紐づけがないのでこういうこともできます。
その他海外パビリオンが整理券を配布しているという情報もあるのですが、よくわかりません。タイはマッサージの整理券を、アイルランドは入場整理券を配ったりしているらしいのですが……ここらへんは日々運用も変わるでしょうから、毎日行くような人で無いとわからないかも。
パビリオン予約でさえ正直ややこしくてお腹いっぱいなのに、そこに独自予約・キャンセル待ち・整理券など追加してくれるなよという気持ちもあるのですが、上手く使うと効率的に会場回れます。他にも独自予約を見つけたという方がいたらぜひご連絡ください。