前から人気だったのだが、食べログ百名店に選ばれたせいか、いっそう予約が取りづらくなっている。
食べログでの口コミでは、2ヶ月も前に予約を取ったという声が多い。
しかし、鶯谷園は別に予約しなくても食べられる店である、ということを声を大にして伝えていきたい。
方法はいたってシンプル、23時以降に来店するのである。
もちろん、23時に行くと肉が無くなっていることはある。ランプをどうしても食べたいなら電話予約の段階で取り置きを頼むのが無難だろう。
23時に入ったら食べ終わる頃には終電を過ぎてしまうではないか、という意見については「心配無い」と言いたい。なんせ鶯谷園は鶯谷にあるのだから。
鶯谷園が人気になってから、焼肉のためだけに鶯谷に行くという不届きものが増えている。およそ正気ではない。
まず、鶯谷駅で降りた時点で、ラブホの看板を見ること無しに歩くことは不可能である。
鶯谷駅北口で待ち合わせなどしようものなら、「◯◯さんですか」と出会い系の待ち合わせだと勘違いされる。ひどい日には「いくらですか」と聞かれる。
また、風俗嬢もよく歩いている。とある日の朝の6時ごろ鶯谷駅近くの路上で、酒盛りをしている50代ほどの風俗嬢3人組を見たことがある。「人生、案外どうとでもなるのかな」と勇気をもらえたのを覚えている。
とにかくそんなわけだから、鶯谷に行くには覚悟が必要なのだ。「今日はセックスするぞ」ぐらいの気持ちがなければ鶯谷には行かれないのだ。
どうせセックスするのであれば、鶯谷に泊まればよい。鶯谷のラブホに泊まれるのであれば、鶯谷園に足を伸ばしてもよい。鶯谷園は深夜2時までやっている。
鶯谷園はビビンバが意外に安い。石焼でない分だけだいぶ安い。ビビンバとカルビ2人前、ハイボールだけ食べてサッと帰るのも良い。1人で鶯谷から帰らなければいけない事情を抜きにすれば、非常に大きな楽しみと言えよう。
鶯谷園がどうしても混んでいて入れなかったら、隣のほるもんスタジアムに行こう。味は並みだが、「デッドボール」としか形容できない女性グループが食事していることがあり、聞き耳を立てる楽しみが生まれる。
終電を捨てよ、鶯谷園に行こう。
僕は焼肉を食べた後、ホテル「絆」でポカリ缶を飲むのが好きなのだが、その話はまた、次の機会に。